「……まぁ。よくよく考えてみれば前島は、あのとき階段で美月のことを助けてくれた恩があるから。特別に、許してやるよ」
許してやるって、朝陽くん……なんとも上から目線な。
「前島、これからも同じ読書が好きな友達同士、みつと変わらず仲良くしてやってよ」
朝陽くん……。
「それは言われなくてももちろん、そのつもり。美月ちゃん、この前はごめんね? あと、一之瀬も……悪かった。
美月ちゃん、一之瀬と両思いになれてほんと良かったね。おめでとう」
一晴くんが、微笑む。
「ありがとう……一晴くん」
こうして祝福してくれるなんて。やっぱり優しいよ、一晴くん。
「……ただし。これからは前島も含めて、みつが他の男を3秒以上見つめるの禁止だけど」
えぇ!? せっかく朝陽くん、嬉しいこと言ってくれてたのに。
「みつ、お前が3秒以上見てもいい男は俺だけだから。覚えてて?」
う、うそでしょー!?



