「おはよう、美月ちゃん」
「あっ、一晴くん。お、おはよう」
昇降口のところで、一晴くんが声をかけてくれた。
一晴くんと話すのは、私が一晴くんに告白された日以来かもしれない。
あれからなんとなく、お互い話してなかったんだよね。
一晴くんの視線が、私と朝陽くんの繋がれた手へと移る。
しまった。朝陽くんと手、繋いだまま。
「美月ちゃん。その様子だと、一之瀬とうまくいったみたいだね?」
「おう、前島クン。おかげさまで、この通り。美月ちゃんは、俺の彼女です♪」
朝陽くんが私たち2人の繋いでいる手を、見せびらかすかのように、わざと上へと上げてみせる。



