うっ。朝からそんな嬉しいことを……!
「これから毎朝、一緒に登校しよ? 俺ここで待ってるから」
「毎朝ってそんな、悪いよ……! 遠回りだし、時間ロスなるし。その分、朝陽くんが家でゆっくりできるじゃな……っ!?」
朝陽くんのしなやかな指が、私の唇に当てられる。
「それ以上言ったら、怒るよ?」
え?
「俺、放課後は部活あるから、みつと帰れないだろ? だから、せめて朝は一緒に登校したいの。みつと少しでも長く一緒にいたい俺の気持ち、分かってよ。
大好きな彼女に会うためなら、遠回りになろうが、そんなのどうってことない」
「……っ」
「それとも、みつは俺と一緒に登校するのが嫌なわけ?」
「嫌じゃ、ない。一緒に登校したい……です」
「ふっ。それなら最初から、素直にそう言えよ」
額についばむようなキスをされ、朝陽くんがくすっと笑う。