マスクを外した朝陽くんは、私の頬に軽く口づける。


「あっ、朝陽くん!」


こんな不意打ち……!


「好きだよ、美月」


色素の薄い瞳が、真っ直ぐこちらを見つめる。


「私も……好き」


彼の指が私の顎に触れ、そっと上を向かされる。


朝陽くんが近づいてきたのに合わせて、私は目を閉じた。


私の唇に、朝陽くんのものが重なる。


朝陽くんと、初めてのキス。


お砂糖よりも……甘い。


朝陽くんの唇は、驚くほど柔らかかった。


「あ、そうだ。まだ、ちゃんと言ってなかったな。美月、俺と付き合って。大切にするから、俺の……彼女になって」

「はいっ!」


私は、もちろん即答。


『付き合って』って、ちゃんと言葉にしてもらえると、やっぱり嬉しいな。


朝陽くんには長い間、待たせてしまったけれど……ようやく今日、お互いの想いが1つに繋がった。


「教室戻ろっか? みつ」


朝陽くんが、笑顔で私に手を差し出してくれる。


「み、みつ??」


朝陽くん今、私のことそう呼んだ?