いつも余裕な感じの朝陽くんの口から、まさかそんな言葉が出るなんて。
「悔いても遅いけど、もし俺があのとき一緒に自販機までついて行ってたら、美月にこんな怖い思いをさせずに済んだのかな? って思っちまうんだよ。
階段から突き落とすなんて、成宮も度を超え過ぎてるだろ」
「でも朝陽くんは、戻ってこない私を心配して、来てくれたじゃない。それに、朝陽くんのせいじゃないよ!」
「こんなときでも優しいんだな、美月は」
ぽんと、頭に大きな手のひらがのる。
朝陽くん、一体どうしちゃったの!?
さっきから全然、朝陽くんらしくないよ。
朝陽くんが、力なくベッドから立ち上がる。
「俺、保健室の先生呼んでくるわ」
そう言うと朝陽くんは1人、保健室から出て行った。