「みつきーっ!!」 頭の中が真っ白になる中で、私の名前を叫びながら、階段を急いで駆け下りてくる朝陽くんの姿が見えた。 「危ない!!」 間一髪のところで、数段下にいた一晴くんが階段から後ろ向きに落ちかけた私を、咄嗟に後ろから抱きとめてくれた。 そのとき……。 「……っ」 何か柔らかいものが、一瞬だけ私の唇に触れた。