──「さっきはありがとう。キミのお陰で助かったよ」
1教科目の試験が終わり、俺は隣のメガネの女の子にさっそく声をかけた。
「はい? 何のことですか?」
すると女の子は、何も知らないとでも言うように、俺にとぼけてみせた。
「え? でも頭痛薬……」
「別に私は、大したことしてませんよ?」
照れているのか? 少し恥ずかしそうに首を傾げる彼女が、可愛くて。胸がキュンとした。
「困ったときは、お互いさま……ですから」
彼女の笑顔は、ゆったりと優しい。
ほんとに、良い笑顔。
「ありがとう。あのさ、良かったらキミの名前……教えてもらっても良いかな?」
「……が、です」
「え?」
「古賀 美月……です」



