──ピピーッ!
読書をはじめて、しばらく経った頃。
窓の向こうから、ホイッスルの音が微かに聞こえた。
その音に反応し、私は本から顔を上げる。
そうだ。図書室の窓際の席からは、グラウンドが見えるんだった。
そこでは、サッカー部の人たちが懸命にボールを追いかけ、走り回っている。
「あっ」
その走り回っている人たちの中に、一之瀬くんの姿を見つけた。
図書室からグラウンドまでの距離はそれなりにあるけど、彼の真剣な表情が目に入って心臓が跳ねる。
一之瀬くん、今日もサッカー頑張ってるんだな。
「ん? 古賀さん、どうかした?」
「え? あ、ううん。何でもない」
私は、再び本に視線を落とす。



