い、一之瀬くんがこっちを見てる!?
「みっちゃんの応援が、一之瀬くんに伝わったのかもね?」
そう……なのかな?
こちらを見つめる一之瀬くんの口が、ゆっくりと動く。
「あ、り、が、と、う」
一之瀬くんは満面の笑みを浮かべ、口パクで確かにそう言った。
「……っ」
それを見て、胸がドキッと高鳴る。
『ありがとう』って言われた。
あんな消え入りそうな小さな声でも、ちゃんと分かってくれたんだ。
どうしようもなく、嬉しくなる。
「キャー!」
「王子様、シュート決めたぁ」
それから少しして、一之瀬くんがシュートを決め、辺りが一段と騒がしくなる。
一之瀬くんは、笑顔で仲間とハイタッチしていて。
一之瀬くんの弾ける笑顔が……眩しい。
彼の名前のとおり、朝日みたいにキラキラと輝いている。



