けど、今日はせっかく応援に来たんだし。
ここは、勇気を出して……。
「いっ、一之瀬くん。がっ、が、頑張れー」
うぅぅ。噛み噛みで、最後はほとんど消え入るような声になってしまった。
小声だし、こんなんじゃきっと、一之瀬くんの耳には届いてないよね。
そう思い、下を向く私。
「キャーッ! うそ! 一之瀬くんがこっち見てるー」
隣の女子たちが、急に騒ぎ立てる。
「ねぇねぇ! 一之瀬くんが、みっちゃんのこと見てるよ?」
七星に横から小突かれて、俯いていた顔を上げると……。
うそ……。
一之瀬くんが真っ直ぐ、こちらを見ていた。



