黄色い声が響く中、私も一之瀬くんの姿を目で追いかける。
走ってる姿。
パスしてる姿。
汗を拭う姿。
その姿は、どれもすごく真剣な表情で。
どんな姿も全部、全部。
かっこいい……と思った。
一生懸命に、楽しそうに、サッカーする一之瀬くんに……ものすごく惹きつけられる。
彼の姿を、自然と目で追ってしまう。
「キャー! 一之瀬くーん」
「超かっこいいーっ」
すごい。一之瀬くんって、本当に人気だな。
自分の隣にいる女の子をちらっと見ると、すごく綺麗な子だった。
私の隣の子も、向こうの子も……可愛くて綺麗な子ばかり。
そんな子たちがみんな、一之瀬くんを好きなんだ。
彼の隣にいたいって、彼女になりたいって……思ってるんだ。
沢山の女の子にそんなふうに思ってもらえる一之瀬くんって、凄いなって思うと同時に……胸が少し痛んだ。



