ドリンクを手にグラウンドに行くと、サッカー部の応援に来ている女子で溢れていた。
七星、どこだろう?
私がキョロキョロしていると……。
「あ! みっちゃん! こっちこっち」
私に気づいた七星が、手を振ってくれた。
私は、遠慮がちに女子の間をすり抜けて、七星の元へ行く。
「みっちゃん、今はサッカー部内での紅白戦の最中だよ」
七星が教えてくれる。
紅白戦か……あ、一之瀬くんいた!
グラウンドで、赤のビブスを着た一之瀬くんの姿が目に入った。
汗をかきながら、一生懸命サッカーボールを追いかけている。
「一之瀬くーん! 頑張ってー!」
「王子様ー!」
周りの女の子たちが、一之瀬くんに黄色い声援を送る。
ていうか、ここに来ている女の子たち、ほとんど一之瀬くん目的で来てるんじゃ……?



