前島一晴くん。
ちゃんとした会話は今日が初めてだったけど……すごく話しやすかったな。
小説の話だったから……? 読書という、お互いの共通の趣味のおかげかな?
爽やかな、優しい雰囲気の人だったな。
同じ読書好き……か。彼とまた、本の話ができると良いな。
……そうだ。いけない! 早くグラウンドへ行かなきゃ!
あ、そういえば……七星が澄野くんにスポーツドリンクを渡すって言ってたな。
私も、一之瀬くんに何かドリンクを買って差し入れするほうが良いかな?
今日、日直の仕事の黒板消しとか、先生から頼まれたノートを運ぶのを一緒に手伝ってくれたお礼……として。
私は、職員室に教室の鍵と日誌を返すと、途中の自販機でスポーツドリンクを買って、急いでグラウンドへと向かった。



