「へぇー。前島くんの話を聞いて、更にその本が読みたくなった。今度、借りて読むね」 「うん。古賀さん、読んだらどうだったか、今度僕に感想聞かせてよ」 「分かった」 それじゃあ……と私が歩き出したとき。 「あ、古賀さん! 僕、古賀さんと話してみたいなってずっと思ってたから。今日は話せて嬉しかったよ」 え! 「良ければまた……同じ読書好きとして、本の話とかしよう。今日はほんとごめんね? じゃあね」 私に優しく微笑むと、軽く会釈して去っていく前島くん。