「はぁ〜」
しかし、まさか古賀にフラれるなんて。
いや、別に、100% OKされる自信があったわけではないけど。
俺は、今まで何人もの女子の告白を断ってきたけど……。
誰かに告白して振られるって、こんなにも悲しい気持ちなんだな。
今更ながら、彼女たちの気持ちが初めて分かった気がした。
「どうしたの? 朝陽くん、さっきから何度もため息なんかついて。大丈夫?」
ショックで成宮の声が、頭に入らずに素通りしていく。
つーか、今話しかけんなよ。その甘ったるい声、ウザい。
「ううん。なんでもないよ。心配してくれてありがとう」
俺は、ニッコリと笑顔を作る。
「キャー、朝陽スマイル! 間近で見るとやばーい」
何だよ、朝陽スマイルって。そういや、他の女子たちもそんなこと言ってたな。
「ねぇ、朝陽くん。
茜と一緒に教室まで行こ?」
上目遣いでそう言う成宮に、あまり気乗りしないけど俺は 「ああ。良いよ」と、答えた。



