僕の彼女はヤンデレです

「なら、1階に行きましょうか?」

階段を降りて部屋に入ったら居間がある。

そこには仏壇が有り、ミチルの祖父母と思われる写真が飾られていた。

ふと、天井を見た瞬間。手のひらサイズの蜘蛛が居て、こちらを見ているような気がする。

今までハエトリグモくらいしか見た事が無かったから、衝撃的な姿だ。

「好きにくつろいで下さいね」

そう言うとキッチンに向かうミチルに着いて行く。

1口大に切った鶏肉に味を付けて、片栗粉をまぶした物を揚げ始めた。

気になって蜘蛛が居た位置に視線を移すが、何も居なくなっている。

肉を揚げる良い音と匂い。

数分後。
皿にサラダを盛り付けると、唐揚げを装う。
後はご飯とお味噌をついで終了だ。

「出来ましたけど、美味しいかな……?」

そう言いながら、お盆にお茶碗を並べていくミチルには悪いが、食欲が沸かない。

グロテスクな蜘蛛が脳裏にチラ付き、食欲を抑えた。

「あ、ありがとう!」
「じゃあ、2階に上がって一緒に食べましょう……」

各自のお盆を持って、2階に上がる。

2階に上がると少し心が軽くなるのは、景色が明るいからかも知れない。

1階は薄暗く、ジトーっとした雰囲気。