「いや、めちゃくちゃ可愛い!!こんな所で言う言葉じゃないけど、惚れ直しました!!」

ちょっと笑いを取ろうとして言った言葉だが、ミチルは無言のままだ。

変な事言いすぎたか。

「もし……」
「ん?」
「もし、話し掛けて逃げられたらショックだから……。話し掛ける勇気出なくて……」

その気持ちは分かる。
話し掛けて逃げられたらショックだ。

「それ、分かる!!」
「え、陸はかっこいいから逃げられないですよ……」
「まあ、ネットで会うのは初めてだから逃げられた事は無いけど……。
今回ビビって髪をセットしたり!!
て、俺でも大丈夫?」

会って初めてミチルが笑う。
やっぱり、笑った時に出来るえくぼが可愛い。

「大丈夫に決まってるじゃないですか!
自分に自信持って下さいよ!!」
「ミチルもな!」
「あっ!そうですね……」

2人でケラケラ笑う。

財布に入ってるのは、8千円。
はっきり言って、頼りないがミチルに出させたくは無い。

やべえ。バイトでもしようかな……

今まで考えもしなかった思考回路になるから、恋って不思議だ。

「ミチルはご飯食べた?」
「あ、の……」
「どうした?」
「こんな事言ったら、気持ち悪がられるかも知れないけど……」