「…優しくしてやれねえからな」
「えっ…んっ、いお…っ、んんっ」
そう言ってるのに、1本1本を絡められて繋がれた手は優しくて。
そのキスだってとろけてしまうくらいに優しくて。
たまに目を開けば見える顔も、甘い吐息も、ぜんぶがやさしいというのに。
「───せめて何か言ってってばぁ…っ」
いや分かるよ?
そりゃあこの下着付けるなら、もっといろいろ発展させてからでしょーよって。
とりあえず今の状況を軽く説明すると。
ベッドに仰向けの女、覆い被さる男、隠してたタオルケット取られた女、下着姿の女、それを無言で見つめてる男。
……そんな感じだ。
「貧相だよっ!?そりゃあ桜子ちゃんに比べたらさっ、ないよ!?
わかってるのそんなのは…!だから毎日豆乳飲んでる…っ!常にっ…!!」
必死だ、なにかを言われるのが怖くて言葉を繋げるのに必死。
なにこの拷問…。
「もうやだ、もうしない…ほら幻滅した、ほら何も言わない…もうグレる、わたし非行に走る…っ」
「…こっち向け」
「っ…、」
ようやく言葉を話せるようになったのかと思えば。
うずくまるように横へ背けていた身体は、再びクルッと向き直されてしまった。
そんな絃織はジャケットを脱いでネクタイを緩めて、私へ股がっている。
「私これ無理やり買わされてねっ!?仕方なくなの…!しかたなーく、買ってっ」
ここで使うべき言い訳を召喚。
別に悪いことではないはずだ。
だって1回は店員さんに大人っぽすぎるって断ってるもん私。
「───…やべえ、」
「ヤバい…!?やっぱりヤバいの…!?」



