クールな完璧先輩は推し活女子を溺愛する

「え?お願い?福岡の平和と繁栄とか……?」

「もう!田部井ちゃんたら、郷土愛に燃えてるね!よっ!博多っ子の鑑!」

「え?え?え?」

あっという間に悩みが吹っ切れた魅亜は、混乱する田部井ちゃんの手を引っ張ると、凄まじい勢いで太宰府天満宮の拝殿を目指して駆け出して行った。

太宰府天満宮の境内は玉砂利が敷き詰められ、楠が緑の葉を初夏の陽射しに、眩しいばかりに繁らせていた。

特にここの大楠は高さ約33メートルもあり、樹齢は300年以上といわれていた。

その大楠の枝が4月の風に気持ちよさそうにそよいでいる。