クールな完璧先輩は推し活女子を溺愛する

「……親の七光りだよ。親の威光が届かない場所で弱い人を助けて初めて、菅原響一郎は魅亜ちゃんに相応しいヒーローって言えるんじゃないかな?」

「田部井ちゃん……」

田部井ちゃんは本気であたしのことを考えてくれてるんだな……。

なのに、あたしったら、なんか凄く先輩のことに浮かれてるばっかりで、そんな深いところまで考えてもみなかったよ──

「ありがとうね……。田部井ちゃん……」

「うん。しっかり考えてね。あたし、魅亜ちゃんが傷つくところなんか絶対見たくないんだよ」

田部井ちゃんはそこまで話すと、黙って魅亜の手を引いて
ぐんぐん人混みの中を歩いて行った。