クールな完璧先輩は推し活女子を溺愛する



太宰府天満宮の地下から脱出して10日が経った。

神代文字で書かれた木簡を解読した菅原グループ傘下の古文書研究と同じく傘下の医大薬学部の協力により造られた薬によって、田部井ちゃんの意識は回復した。

もちろん、その後には魅亜と田部井ちゃんは仲直りし、まだ入院中の田部井ちゃんのために魅亜はせっせとノートと授業のプリントを届けていた。

「それにしても、倉員と後藤も無事でその上転校するなんて夢みたいです!」

魅亜を真ん中に右に響一郎、左に暁に挟まれながら3人は呑気に登校していた。

「今回の件は、さすがにお祖父さまもカンカンでね。『天神様の宝物を独り占めにしようとは何事か!お前と響一郎の婚約はご破算だ!ついでに私の学校からも出て行け!!』となったんだ」

「あの人相の悪い事務員のおっさんも首だしな」

「おかげで職員棟のエレベーターを生徒も使えるようになってみんな喜んでます!」

暁くんの話に魅亜は嬉しそうに笑う。

「天満宮の地下が崩落した時はどうなるかと思いましたが、老朽化による事故で済んでホッとしました」

「うん、あの木簡で不老不死の薬を造るってお祖父さまは張り切ってるからね!天満宮への多額の資金援助も気にしていないよ」

「何だかこんなにいい事ばかりで夢みたいです!!」

「それはそうと言鳥飼くん、早速だけどこの構図の感想を聞かせてくれるかな」

「え!」

「そうだ!鳥飼さん、今度の日曜日の俺の試合、見に来てくれるよね?」

「は?」

早速、新たなパンフレットの表紙を見せる響一郎に、なぜか週末デートのお誘いをかける暁。

春の青空の下、にわかにモテモテの魅亜であった。

一方クラマスコンビはと言うと。

「鶯パンを購買で買ってきなさいよ!早くしなさい!」

「はい!益美お姫様!」

あの一件以来すっかり立場が逆転した倉員は、後藤にこき使われていたのである。