クールな完璧先輩は推し活女子を溺愛する

「そうだよ、あんた達のせいだ」

魅亜達のいる廊下に、冷たい声が響いた。

「アキラ……くん」

魅亜が驚いて顔を上げると、怒りを露わにした田部井ちゃんの弟が立っていた。

「何だよこれ?どうしてだよ?何で姉貴がこんな目に遭わなくちゃいけないんだよ!」

「よせ!田部井暁!」

今にも魅亜に掴み掛からんばかりのアキラの剣幕に、響一郎は思わず彼を取り押さえようとした。

「あんたもだ副会長!あんたの婚約者気取りの倉員容子はうちの中学ではまるで女王様だ!うちの両親は共働きで無理して高い学費を俺と姉貴2人分も出している。その事実を嗅ぎつけた倉員は、同じクラスなのを良い事に姉貴になにやかやとイヤな役目を押し付けてきてたんだ!!」

やはり田部井ちゃんが倉員の手先にされていたのは本当だったんだ。

魅亜はアキラの告白に、言葉も出ない。

ごめん、田部井ちゃん。私何にも知らなかったよ……。

「帰ってくれ鳥飼さん。俺はあんたの用心棒をおりる。二度と姉貴の見舞いにも来ないでくれ」

アキラは両手で響一郎を乱暴に押しのけると、魅亜に冷淡に言い放った。