クールな完璧先輩は推し活女子を溺愛する

日曜になった。

魅亜は気合を入れてお気に入りのワンピースを着ると、午前中には家を出た。

目指すはもちろん、菅原邸である。

「ええと、大体この辺りのはずだよね」

響一郎から住所を教えてもらったから、スマホの地図アプリで何とか隣町まで辿り着いた。

「うん、やっぱりここだよね。表札出てるもん。でも凄いな。何だか、奉行所みたい!」

そう、響一郎の自宅はまるで時代劇に出てくる町奉行所みたいな立派な門構えであった。

「でも、どうしよう。先輩からは来なくていいって言われたから中に入る訳にもいかないし」

決着をつけると言い切った響一郎は魅亜に何も心配するなと微笑んだ。

しかし魅亜にしてみれば、響一郎と悪鬼容子が同じ屋根の下で二人きりで膝詰め談判する方がよほど心配だった。

「ううん、どうしよう高級住宅地で朝からうろうろしてたら不審人物みたいだし」

家の中の様子が気になる。倉員はもう来ているのか?菅原先輩は無事なのか?

どこか菅原邸を監視できる良い場所はないものか。

周囲をキョロキョロ見回す魅亜に、声をかける者がいた。

「やっぱり、まだ関わってるんだね、魅亜ちゃん」