クールな完璧先輩は推し活女子を溺愛する

「ウソ言うなよ!それならアンタ、何で慌てて階段を駆け上がろうとしてたんだ?俺が声を掛けなかったら、そのまま俺に気づかずに上の階へ走って行ったよな?いつも冷静沈着な副会長さんがだ!!アンタがそれほど慌てる理由はただひとつ、鳥飼さんに何かあったんだろう!?」

アキラは響一郎のどんな変化も見逃すまい、と階上の副会長を臆することなく、じっと見つめた。

肝の据わった男だ、と響一郎は内心、感心する。

今まで自分の周りにいた男子生徒たちとは明らかに違う。

自分を見上げるアキラの瞳に怯えや妬みは一切ない。

ただただ、鳥飼魅亜ひとりを思い、その行方を案じている。

この後に自分がどんな不利益を被るかなど、心配してもいない。

打算ばかりの周囲の生徒たちとは大違いだ。