クールな完璧先輩は推し活女子を溺愛する

魅亜は本当は、響一郎の目の前にいる無愛想な事務員が怖くてエレベーターを使えなかったのだが、響一郎にそんな事情はわかりはしない。

すぐさま階段の踊り場に駆け上がろうと身を翻した。

だがその時、間の悪いことに玄関ホールに決闘相手・田部井 暁が駆け込んできたのだった。

「待て!あんた菅原響一郎だな!?」

「……!」

響一郎がすでに駆け上がった階段の5、6段目から声のしたホールを振り向く。

「田部井 暁──」

「鳥飼さんはどうした!?一体、何があったんだよ!?」

アキラは肩で荒い息をしながらも強い語気で響一郎を問い質した。

「僕が言ったことは忘れろと言ったはずだ」