「あ、サエちゃん出てきたよ」
少しして、ラケットを手に、涼しい顔をしたサエちゃんがやってくる。
「サエちゃんって卓球上手いの?」
八乙女くんに聞かれてドキリとする。
「うん、えっと、卓球部に入ってたとかじゃないんだけど、温泉とかではよく親と卓球するって」
「へー。なんか構えからして上手そう」
と、これは恭介くん。
確かに、ラケットを持って腰を落とした姿勢がすごく様になってる。
「お、いいぞ」
「頑張れ、サエちゃん!」
八乙女くんと恭介くん、二人に応援されて、サエちゃんは少し恥ずかしそうに手を挙げた。
「が、がんばれー!」
私は声を枯らしてサエちゃんの応援を頑張った。
***
「いやー、負けちゃったよ。イケると思ってたんだけどなぁ」
サエちゃんが頭をかきながら戻ってくる。
結果は四位。
上位は全員三年生で、中学生の時に卓球部だったっていうし、ずっと美術部で卓球を本格的にやった経験もないサエちゃんが四位に入ったのは素直にすごいと思う。
「ううん、準決勝に行っただけでもすごいよ!」
私がサエちゃんに駆け寄ると、私の右横に立った八乙女くんと、左横に立った恭介君が同意する。
「そうそう」
「サエちゃん、すごかったよ」
「そう? ありがとー」
と返事をした後で、サエちゃんはコソッと私の耳元でささやいた。
「それにしても、八乙女くんと恭介くんの二人が来てたからすごい人だったね」
「ご……ごめん」
「若菜のせいじゃないって。でもいいなあ。モテモテで!」
茶化すサエちゃん。
「ち、違うよ」
もう、そんなんじゃないってば!
「それじゃ、俺らそろそろ出番だから」
八乙女くんが時計をチラリと見る。
そっか。もうすぐバレーボールの試合が始まるんだ。
「二人とも応援してね。俺ら、絶対に優勝するから!」
笑う恭介くん。
「うん」
「頑張ってね!」
私とサエちゃんは、笑顔で手を振って二人を送り出した。
少しして、ラケットを手に、涼しい顔をしたサエちゃんがやってくる。
「サエちゃんって卓球上手いの?」
八乙女くんに聞かれてドキリとする。
「うん、えっと、卓球部に入ってたとかじゃないんだけど、温泉とかではよく親と卓球するって」
「へー。なんか構えからして上手そう」
と、これは恭介くん。
確かに、ラケットを持って腰を落とした姿勢がすごく様になってる。
「お、いいぞ」
「頑張れ、サエちゃん!」
八乙女くんと恭介くん、二人に応援されて、サエちゃんは少し恥ずかしそうに手を挙げた。
「が、がんばれー!」
私は声を枯らしてサエちゃんの応援を頑張った。
***
「いやー、負けちゃったよ。イケると思ってたんだけどなぁ」
サエちゃんが頭をかきながら戻ってくる。
結果は四位。
上位は全員三年生で、中学生の時に卓球部だったっていうし、ずっと美術部で卓球を本格的にやった経験もないサエちゃんが四位に入ったのは素直にすごいと思う。
「ううん、準決勝に行っただけでもすごいよ!」
私がサエちゃんに駆け寄ると、私の右横に立った八乙女くんと、左横に立った恭介君が同意する。
「そうそう」
「サエちゃん、すごかったよ」
「そう? ありがとー」
と返事をした後で、サエちゃんはコソッと私の耳元でささやいた。
「それにしても、八乙女くんと恭介くんの二人が来てたからすごい人だったね」
「ご……ごめん」
「若菜のせいじゃないって。でもいいなあ。モテモテで!」
茶化すサエちゃん。
「ち、違うよ」
もう、そんなんじゃないってば!
「それじゃ、俺らそろそろ出番だから」
八乙女くんが時計をチラリと見る。
そっか。もうすぐバレーボールの試合が始まるんだ。
「二人とも応援してね。俺ら、絶対に優勝するから!」
笑う恭介くん。
「うん」
「頑張ってね!」
私とサエちゃんは、笑顔で手を振って二人を送り出した。