「あっ、これって、ダイアナの人形!?」
私は窓際に置かれている大きなクマのぬいぐるみを手に取った。
これ、私が昔ハマってた少女漫画『みるく☆きゃんでぃ』で主人公のライバルのエリリンが毎日持ち歩いてたクマのぬいぐるみダイアナだ!
「うん、よく分かったね。読者サービスで当たったんだ。実は俺、『みるく☆きゃんでぃ』ではユリちゃんよりエリリン派でさ」
「本当!? 私もエリリン派!」
「気が合うね!」
きゃーっ、と女子同士のように手を取り合って喜び――そしてはたと気づく。
やだ。私ったら何やってるの!?
いくら興奮してたとはいえ、八乙女くんの手を握るだなんて!
自分から手を握ったくせに、かぁっと顔が熱くなる。
急に恥ずかしくなり、話題をそらす。
「こ……この本は……」
何をの気なしに手に取ったその本を見て、私は思わず固まってしまった。
ドクン、と心臓が鳴る。
本の表紙には、ドレスもフリルも無ければ、可愛い女の子もいない。
そこに居たのは、二人のイケメン男性。
あ、こういう本、サエちゃんがよく読んでるから知ってる。
男どうしの恋愛もの。ボーイズラブってやつだ。
私は何だか見てはいけないものを見てしまったような気分になり、とっさにその本を別の本の下に隠した。
チラリと八乙女くんの方を見ると、八乙女くんは本棚の方を向いて本を探していて、私がボーイズラブ小説を見たことには気づいてないみたい。
ホッと息を吐く。
い……いやいや、何をやってるんだろう、私。
別に男の人がこういうのを読んでたっていいし、悪いことじゃない。でも――。
私の頭の中には、ある疑念がムクムクと膨らんできた。
もしかして、もしかしてだけど――八乙女くんも「ボーイズラブ」な男の子だったりするのかな??
頭の中に、さっき見た八乙女くんの可愛らしい女装姿が浮かんでくる。
ま……まさかね。
私は窓際に置かれている大きなクマのぬいぐるみを手に取った。
これ、私が昔ハマってた少女漫画『みるく☆きゃんでぃ』で主人公のライバルのエリリンが毎日持ち歩いてたクマのぬいぐるみダイアナだ!
「うん、よく分かったね。読者サービスで当たったんだ。実は俺、『みるく☆きゃんでぃ』ではユリちゃんよりエリリン派でさ」
「本当!? 私もエリリン派!」
「気が合うね!」
きゃーっ、と女子同士のように手を取り合って喜び――そしてはたと気づく。
やだ。私ったら何やってるの!?
いくら興奮してたとはいえ、八乙女くんの手を握るだなんて!
自分から手を握ったくせに、かぁっと顔が熱くなる。
急に恥ずかしくなり、話題をそらす。
「こ……この本は……」
何をの気なしに手に取ったその本を見て、私は思わず固まってしまった。
ドクン、と心臓が鳴る。
本の表紙には、ドレスもフリルも無ければ、可愛い女の子もいない。
そこに居たのは、二人のイケメン男性。
あ、こういう本、サエちゃんがよく読んでるから知ってる。
男どうしの恋愛もの。ボーイズラブってやつだ。
私は何だか見てはいけないものを見てしまったような気分になり、とっさにその本を別の本の下に隠した。
チラリと八乙女くんの方を見ると、八乙女くんは本棚の方を向いて本を探していて、私がボーイズラブ小説を見たことには気づいてないみたい。
ホッと息を吐く。
い……いやいや、何をやってるんだろう、私。
別に男の人がこういうのを読んでたっていいし、悪いことじゃない。でも――。
私の頭の中には、ある疑念がムクムクと膨らんできた。
もしかして、もしかしてだけど――八乙女くんも「ボーイズラブ」な男の子だったりするのかな??
頭の中に、さっき見た八乙女くんの可愛らしい女装姿が浮かんでくる。
ま……まさかね。