私がワクワクしながら待っていると、ふとテーブルの上のフラワーアレンジメントに気がついた。

 あれ? このお花、昨日REI*さんがSNSに上げてたような……。

 これはもしや――ひょっとして、八乙女くんのお姉さんのうちの誰かがREI*さんだったりする!?

 うわー、ありえる! お姉さんたち、いかにも乙女チックなもの好きそうだし。

 まさかこんな近くにREI*さんが居ただなんて……。

 でも、お姉さん、三人もいるし、一体誰がREI*さんなんだろう。

「あったよーっ!」

 私がじっと花を見つめていると、華さんが大きくて分厚いアルバムを持ってくる。

「あったよーっ!」

 でも八乙女くんの抵抗むなしく、華さんが大きくて分厚いアルバムを持ってくる。

「ほら、これ!」

 華さんが指さす先には、ピンクのフリルのワンピースを着てクマのぬいぐるみを抱いた美少女がいた。

「わあっ、これ八乙女くん? 可愛い!」

 どこからどう見ても女の子そのものだあ。

「小さい頃からお人形遊びとかおままごとばっかりしてたのよね」
「他の男の子みたいに、車とか電車とか、スーパーヒーローに全然興味無い感じだったもんね」
「読むマンガも少女マンガばっかりだったし」

 お姉さんたちが教えてくれる。

「へえ、そうだったんですね」

 八乙女くん、そんなに昔から少女趣味だったんだ。

「だから、今日は女の子を家に連れてきて少し安心したのよね」
「うんうん、女の子に興味がなくて、男の子に興味があったらどうしようかと思ってたから」
「ま、それならそれで応援はするけどね」

 そうなんだあ。

 まあ、でも残念なことにただのお友達なんですけどね。

「姉さんたち、余計なこと言うなよ」

 横を見ると、八乙女くんは顔を真っ赤にして恥ずかしそうに縮こまっていた。