乙女チック同盟~私と学園の王子様のヒミツの関係~

 わ、いつもの方が良いだって。

 トクンと心臓がなる。

 大した意味は無いって分かってる。八乙女くんは私のことを好きなわけじゃないって知ってる。でも――。

「えー? せっかくメイクしたのに」

 むくれる夢さん。私は慌ててフォローした。

「わ、私はメイクした自分も好きです」

「でしょでしょ? メイクの力って凄いんだよ」

 私の言葉に、夢さんは目を輝かせると奥から何やらチラシを持ってきた。

「じゃじゃーん、これ、誰か分かる?」

「えっ……これって」

 チラシには、ピンクの髪のツインテールでお人形さんみたいに可愛い女の子が写っていた。

 陶器みたいに白く透き通った肌。少し切れ長の大きな瞳。整った目鼻立ち、そしてすらりと長く細い手足。

 華さんたちに少し似てるような……でも少し違うこの顔は。

 この顔って……まさか!?

「ちょ、ちょっと、姉さん!」

 顔を真っ赤にしてあたふたする八乙女くん。

 その反応で、この人形みたいに可愛い女の子の正体が分かってしまった。

「これ、もしかして八乙女くん!?」

 八乙女くんだ……。

 この美少女、女装した八乙女くんだーっ!!