ど……同盟?

 目をパチクリさせてスマホの文字を見つめる。


 若菜『同盟って、何をするの?』

 八乙女『一緒に小説のことを語り合ったりとか、新刊の情報を交換したりとか。あとは、可愛いものを買いに行くのに付き合ってほしい』

 そっか。八乙女くん、一緒に可愛いものを語り合う仲間が欲しいんだ。

 私も中々そういう友達っていなかったし、緊張するけどちょうどいいかも。


 若菜『いいよ。それじゃあ、乙女チック同盟結成だね』


 八乙女『あはは。乙女チック同盟、いいな、それ』

 八乙女『じゃあ決まりね』

 八乙女『そういえば若菜さん、嬢ヶ崎先生が好きなら、姫小路(ひめのこうじ)あや先生とかも読む?』


 姫小路先生は、フレデリカ先生や嬢ヶ崎先生と同じレーベルで書いてる、同じく乙女っぽさを売りにした作家さん。

 もちろん私の好きな作家さんのうちの一人。


 若菜『うん、読むよ』

 八乙女『そうなんだ。じゃあ今度の日曜日、姫小路先生の本が原作の映画、一緒に見に行かない?』

 八乙女『乙女チック同盟、第一回目の活動!』


「えっ……」

 息が止まるかと思った。

 八乙女くんと一緒に……映画!?