死なないあたしの恋物語

「うん」


「そんなわけないじゃん。魔女なんていないよ」


「それはわかってるけどさ、美鈴たちが洋館や魔女の話を始めてから、千奈の様子が変わったよね?」


「それはきっと、あたしたちに迷惑をかけたくないからだよ」


「そんな! 迷惑だなんて思ってないのに!」


「もちろんだよ。でも、千奈ってやけに大人びてるところがあるから、自分がひとりになることで、あたしたちを守ろうとしてるんだと思うよ」


水音が聞こえてくる中、2人はそんな会話を続ける。


本当に出るに出られなくなってしまった。


あたしは仕方なくトイレに座って待つことにした。


「それならさ、あたしたちが洋館に行って、魔女なんかいなかったって証明すればいいじゃん!」


真夏の提案に心臓がはねた。


「洋館へ行くつもり?」


「そうだよ。それで、中に入って写真撮って、美鈴と雅子に見せてやんの!」


「それいいね! あ、でも、お化け屋敷なんだよね?」


綾の声が尻すぼみになる。


そのまま諦めてくれるように祈るが、真夏はそう簡単にはいかない。


「幽霊も魔女もいないに決まってるでしょ?」


「そ、そうだよね?」