死なないあたしの恋物語

☆☆☆

「今日はひとりなんだね? やっぱり魔女だから?」


休憩時間中にそんな声をかけてきたのは美鈴さんだった。


よこには安定の雅子さん。


あたしは返事もせずに教科書に視線を落とした。


「返事くらいしなよ」


雅子さんがあたしから教科書を奪い取る。


咄嗟に視線を合わせてしまった。


このまま無視しようと思っていたのに、そうさせてもらえないみたいだ。


「教科書、返してくれる?」


「はぁ? あんた人の話聞いてた?」


雅子さんがニヤついた笑みを浮かべた。


「魔女だからひとりなのかって質問したんだけど?」


美鈴さんが更に言葉を続ける。


黒い感情が溢れそうになるが、それをグッと押し殺した。


ここで言い返したり、喧嘩をしたら本末転倒だ。


「ちょっと、いい加減にしなよ」


無視しようと決めたところで、いつの間にか綾が近くまで来ていた。


2人を睨みつけている。


「綾、かまわなくてもいいから」


「ほっとけないでしょ。友達なんだから」


綾の目は真っ直ぐだ。


あたしが何を言っても聞き入れてもらえそうにない。