死なないあたしの恋物語

男の子たちの視線がこちらへ向かう。


こんなことに首を突っ込んでいてはきりがない。


長く生きてきたあたしなら十分に理解していたはずなのに、男の子が1人で文房具を広い集める姿を見ていると、いてもたってもいられなくなってしまった。


一歩前へ踏み出して『そういうの、やめなよ』と、声をかけたのだ。


イジメていた2人の男の子たちは一瞬たじろいだように後ずさりをしたが、すぐにあたしを睨みにつけてきた。


しかし、睨みつけてくるだけで何も言わないのだ。


だからこそ、その目に余計にひきつけられた。


じとっとした目。


粘ついて、相手への嫌悪を感じる目。


それを思い出して、あたしは強く身震いをしていた。


今美鈴さんと雅子さんは、あの子たちと同じような目をあたしへ向けている。


「確認って?」


「あのさぁ――」


雅子さんが口を開いたその時、ホームルーム開始を告げるチャイムが鳴り始め、先生が教室に入ってきた。


雅子さんは途中で口を閉じ、軽く舌打ちする。


「また今度でいいや。行くよ、雅子」


美鈴さんはそう言うと、雅子さんの手を掴んで行ってしまったのだった。