死なないあたしの恋物語

「俺は千奈を尊敬するよ。相手から自分の記憶を消すなんて、俺にはできそうにないし」


優しいことを言われると目の奥がジンッと熱くなってくる。


「誰でもできるようになるよ」


必死で涙をこらえて答える。


あたしは気分を変えるためにアルバムを一枚めくった。


その表紙に足元に落下する色あせた封筒。


「なんだこれ?」


洋人君が拾い上げて、あたしは息を飲んだ。


「ごめん、それは――」


言いながら手を伸ばしたけれど、一足遅かった。


洋人君はその封筒を開けて、中の写真を取り出していたのだ。


セピア色に色あせた写っているのはあたしと、そして……。


「これ、俺のじいちゃんだ」


洋人君の言葉にあたしは頭の中が真っ白になった。


じいちゃん……?