それから10分ほど経過したとき、どうにか雪の涙が止まっていた。
雪は半分放心状態で座り込み、呆然として床を見つめている。
その隣には香がいた。
「廊下、静かになったね」
しばらく廊下からは誰の足音も聞こえてこない。
校舎内のどこからか悲鳴は聞こえてくるけれど、この付近じゃなさそうだった。
「あぁ。ちょっと落ち着いたのかな」
純也がドアに耳を当てて確認している。
あたしたちはここにいるから今まで攻撃を受けずに済んでいるけれど、ずっとここにいることはできない。
トイレや食事といった、どうしても必要なものがある。
さっきから緊張で喉がカラカラに乾いていることも気になっていた。
「少し、外の様子を確認してみるか」
純也が覚悟を決めた様子でそう言った。
「廊下へ出てみるの?」
そう質問したのは雪だった。
雪は睨むような視線を純也へ向けている。
さっきはドアを開けてもらえなかったのにと、その表情を訴えているようだった。
「少しだけ」
純也は短く返事をしてドアの鍵を開けた。
そして少し開いたときだった。
「キャアアアアア!!」
悲鳴が聞こえたのはすぐそばからだった。
見ると雪がめいっぱい声を張り上げて叫んでいる。
純也が慌ててドアを閉めて鍵をかける。
雪は半分放心状態で座り込み、呆然として床を見つめている。
その隣には香がいた。
「廊下、静かになったね」
しばらく廊下からは誰の足音も聞こえてこない。
校舎内のどこからか悲鳴は聞こえてくるけれど、この付近じゃなさそうだった。
「あぁ。ちょっと落ち着いたのかな」
純也がドアに耳を当てて確認している。
あたしたちはここにいるから今まで攻撃を受けずに済んでいるけれど、ずっとここにいることはできない。
トイレや食事といった、どうしても必要なものがある。
さっきから緊張で喉がカラカラに乾いていることも気になっていた。
「少し、外の様子を確認してみるか」
純也が覚悟を決めた様子でそう言った。
「廊下へ出てみるの?」
そう質問したのは雪だった。
雪は睨むような視線を純也へ向けている。
さっきはドアを開けてもらえなかったのにと、その表情を訴えているようだった。
「少しだけ」
純也は短く返事をしてドアの鍵を開けた。
そして少し開いたときだった。
「キャアアアアア!!」
悲鳴が聞こえたのはすぐそばからだった。
見ると雪がめいっぱい声を張り上げて叫んでいる。
純也が慌ててドアを閉めて鍵をかける。