記事をしっかりと確認してみると、確かにそのように書かれている。


「最初は理恵1人。次に幸子。それから男子4人……。幸子のときは倍になってないよね?」


言うと、雪は軽く左右に首を振った。


「同じクラスの子だけが感染するなんて書いてないよ」


あ……。


その通りだった。


昇降口で見かけたあの女子生徒。


あの子も感染していたはずだ。


幸子と共に感染したのがあの子だとすれば、確かに人数が倍になっている。


「30分おきに倍の人数って、これヤバイんじゃないのか!?」


純也が青ざめている。


廊下からは絶えず悲鳴が聞こえてくる。


すでに全部で7人まで増幅しているのだ、このペースで感染していけばこの学校内は殺人鬼だらけになってしまう!


「殺人鬼になると、灰色の目になり、自我を失ったようになる」


雪がそこまで呼んだとき、廊下から大きな悲鳴が聞こえてきた。