「香、これってどういうこと?」


あたしが声をかけても反応しない。


すっかりおかしくなってしまっているのかもしれない。


あたしは倒れている生徒の1人を確認した。


耳にアザがある。


他の生徒も大半が殺人鬼だったみたいだけれど、中にはアザのない生徒も混ざっているのがわかった。


あたしは愕然として香を見つめた。


まさか、香が1人で全員を……?


あたしは左右に首を振ってその考えをかき消した。


香がそんなことするはずない。


関係のない生徒まで殺すなんてことありえない!


しかし、あたしは電話で聞いた女子生徒の悲鳴を覚えていた。


あれはもしかして、殺人鬼になっていない生徒の悲鳴だったんじゃないだろうか?