あたしはどうすればいいのかわからず、立ち尽くす。


すると樹里がニタリと粘ついた笑みを浮かべた。


「さ、あたしたちも化学室に行こうか」


「そうだねぇ」


樹里たちがわざとらしく会話をしながら教室を出る。


少し迷ってから、あたしはその後をついて歩いた。


みんないなくなってしまったから、樹里たちについていかないと教室がわからない。


「あの雑誌まだ途中までしか読んでなかったのにさぁ」


「弁償してもらえよ」


「そうだね、それがいいと思うよ」


前を歩く樹里たちの会話がチクチクと胸に突き刺さる。


そうしている間に空き教室に到着していた。


樹里たちは当然のようにその中に入っていくが、中をのぞいてみてもそこには誰もいなかった。


使われていない教室はホコリっぽく、教室後方には机ら椅子が乱雑に積み重ねられている状態だ。


こんなところで授業があるわけない。


そう思いながら足を踏み入れたときだった。


突然4人が走り出したのだ。