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3人がいそうな場所を探して1時間が経過していた。


やはり、どこにも3人はいない。


途中自動販売機を見つけて立ち止まり、休憩を取っていた時、スマホが震え始めた。


千紗かもしれないと期待してスマホ画面を確認すると、それは千紗の父親からの着信だった。


昨日、連絡がとりやすいようにスマホ番号を交換しておいたのだ。


「はい」


『久典君かい? もう、学校は終わったのか?』


「終わっています。今カラオケ店とゲームセンターを探しなおしたところです」


『そうか、もう動いてくれているんだね、ありがとう。これから合流できるかい?』


「もちろんです」


『じゃあ、そのあたりで待っていてくれ。車で行くから』


「わかりました」


千紗の両親が一緒なら心強い。


俺はジュースを飲み干して「よし、今日こそ絶対に千紗を探し出す」と、呟いたのだった。