「ちょっと、おとなしくしなさいよ」


テスターが強引に顔を上げさせても、栞はそれに抵抗して首を振る。


その拍子髪の毛が何本が引き抜けてしまったようで、テスターは激しく舌打ちをした。


「これじゃ髪の毛がなくなっちゃうわ。早くしなきゃ」


そう言ってナイフを栞の額にナイフを突き立てたのだ。


「キャアアア!!」


栞の絶叫が鼓膜をつんざく。


テスターはそのままナイフで頭皮を引き裂きはじめた。


流れ出る血に栞の顔がぬらされていき、真っ赤に染まる。


「なかなか切れないわね。骨が邪魔をしているのかしら」


思いのほかてこずっているのか、テスターの目元が険しくなった。


栞はグッタリとして目を閉じている。


「栞……」


どうにか声を振り絞って名前を呼ぶけれど、返事はない。


意識が遠のいていく。


「まったく、仕方ないわね。他に道具が必要みたいだわ」


テスターが諦めて栞から離れていくのを見て、あたしはまた意識を手放してしまったのだった。