「智恵理、栞! 起きて!」


大きな声で名前を呼ぶと2人のまぶたが震えた。


よかった、生きてる!


安堵して涙が出てきそうになった。


「あれ? なにここ?」


「痛っ……体が……」


目が覚めた2人は混乱したように周囲を見回し始めた。


あたしも同じようにして確認してみると、どうやらここが学校の倉庫であることがわかった。


といっても置かれているのはもう使われることのないゴミばかり。


「ここ、旧体育館倉庫だ」


智恵理が呟いた。


「そうみたいだね」


あたしはうなづく。


旧体育館倉庫はグラインドの端に立てられている木製の倉庫で、普段は誰も近づかない。


取り壊すという噂も立っていた。


誰が、どうしてこんなところにあたしたちを……?