☆☆☆
「許さない」
落下した消しゴムのカスを捨てていると、郁乃がそう言った。
見ると郁乃は本気で怒っているようだ。
最初に久典に相談しようと思ったのだけれど、休憩時間に入ると同時に飯田さんと一緒にまた教室を出て行ってしまった。
声をかける暇もなかった。
「あたしは久典君の彼女が千紗だったから、嫉妬してたの」
「郁乃……」
「だけど今回は違う。飯田さんは千紗から久典君を奪い取ったんだ」
郁乃に言われてあたしは拳を握り締めた。
今はまだ、あたしと久典の関係は大丈夫かもしれない。
だけど飯田さんがいれば必ず悪化していくであろうと言うことは、安易に想像がついた。
「久典君も久典君だよ。千紗があんな目に遭ったのに、飯田さんなんかになびくなんて許せない」
「でも、あたしにはもうどうしようもないよ」
あたしは小さな声でそう言ってかすかに笑った。
見た目を失ってしまったあたしに取りえなんてなにもない。
郁乃みたいに勉強だってできないし、友達も失ってしまった。
「そんなことない。あたしたち、この目で見てきたじゃん」
「え?」
「美しい者がいるせいで、人生を狂わされた人を」
谷津先生のことだ。
「許さない」
落下した消しゴムのカスを捨てていると、郁乃がそう言った。
見ると郁乃は本気で怒っているようだ。
最初に久典に相談しようと思ったのだけれど、休憩時間に入ると同時に飯田さんと一緒にまた教室を出て行ってしまった。
声をかける暇もなかった。
「あたしは久典君の彼女が千紗だったから、嫉妬してたの」
「郁乃……」
「だけど今回は違う。飯田さんは千紗から久典君を奪い取ったんだ」
郁乃に言われてあたしは拳を握り締めた。
今はまだ、あたしと久典の関係は大丈夫かもしれない。
だけど飯田さんがいれば必ず悪化していくであろうと言うことは、安易に想像がついた。
「久典君も久典君だよ。千紗があんな目に遭ったのに、飯田さんなんかになびくなんて許せない」
「でも、あたしにはもうどうしようもないよ」
あたしは小さな声でそう言ってかすかに笑った。
見た目を失ってしまったあたしに取りえなんてなにもない。
郁乃みたいに勉強だってできないし、友達も失ってしまった。
「そんなことない。あたしたち、この目で見てきたじゃん」
「え?」
「美しい者がいるせいで、人生を狂わされた人を」
谷津先生のことだ。



