テスター

☆☆☆

1時間目の授業が始まる前にB組の教室へ戻ると、途端に教室内が静まり返った。


退院して登校してきた日とは違う、敵意を感じる視線にあたしの体が硬直してしまった。


「千紗って飯田さんのこと突き飛ばしたんでしょう?」


「そのまま逃げたんだって」


「飯田さん、なにもしてないんでしょう?」


「最低じゃん」


こそこそと聞こえてくる声に背中に汗が流れていく。


みんなの視線から逃れるように久典へ顔を向けると、久典は飯田さんと楽しげに会話をしていた。


途端に胸に痛みが走り、すぐに視線をそらした。


見るんじゃなかった……。


うなだれて自分の席に座ると、すぐに先生が入ってきてホッと胸をなでおろした。


授業が始まれば無駄な会話を聞かなくてすむ。


そう思っていたけれど……。


コツンッ。


授業が始まって10分ほど経過したとき、背中にかすかな衝撃を感じて振り向いた。


しかし、特に何もない。


気のせいだったのかな?


そう思って黒板へ視線を向ける。


するとまたコツンッと衝撃があり、今度はクスクスと笑い声が聞こえてきた。