テスター

しかし、久典はまだ心配そうな表情を浮かべている。


「大丈夫? 千紗のせいで無理してるんじゃない? 気にしなくていいよ?」


矢継ぎ早にそう言い、あたしは愕然として久典を見つめた。


今『千紗のせい』って言った……?


それじゃまるであたしが2人の邪魔をしているみたいだ。


あたしと久典の邪魔をしているのは飯田さんなのに!


「ちょっと久典、飯田さんは大丈夫だって言ってるんだから、もういいでしょ!?」


「どうしたんだよ千紗。なんで怒ってるんだ?」


久典は困ったように眉を下げる。


本当になにもわかっていないんだろうか。


その瞬間、飯田さんが勝ち誇った表情をあたしへ向けた。


あたしはそれを見逃さない。


「わざとそういうことするのやめてよ!」


つい、カッとなってしまった。


人前でばかり言い顔をして、久典を自分のものにしようとしているのがバレバレだったから。


あたしは両手で飯田さんの体を押していたのだ。


「キャア!」


飯田さんの悲鳴が廊下に響き渡り、みんなの注目が集まる。


次の瞬間飯田さんは廊下に倒れこんでいた。


「飯田さん!」


久典がすぐにしゃがみこみ、飯田さんに声をかけた。