テスター

☆☆☆

2人の姿を見つけるのは安易だった。


飯田さんと久典が2人で歩いていると目立つから、すぐにわかる。


郁乃が言っていた通り、飯田さんは久典にべったりとくっついて歩いている。


そして久典もそれを拒絶していない。


2人の姿にはらわたが煮えくりかえりそうになりながらも近づいた。


「ねぇ、さっき言ったと思うけど久典はあたしの彼氏なの」


目の前で立ち止まり、飯田さんを睨みつける。


すると飯田さんは戸惑ったように視線を泳がせ、そして久典へ助けを求めるように視線を向けたのだ。


「違うんだよ千紗。さっき飯田さんは足をひねったんだ。だから支えて歩いてるんだよ」


久典は頬を赤く染めて言う。


足をひねった?


こんな短時間で、都合よく?


絶対に嘘に決まっている。


あたしは飯田さんをにらみつけ「それならあたしが保健室に送って言ってあげる」と、提案した。


途端に飯田さんは久典から身を離し「少し痛いだけだから大丈夫だよ」と、言い出したのだ。


明らかに嘘だ。