テスター

☆☆☆

予想外の出来事が起こったのは2時間目の数学の授業中だった。


中年の女性教師がなにを思ったのか突然小テストをすると言い出したのだ。


「このテストで平均以下の人は、放課後残ってプリントをやってもらいます」


そう言って裏表に問題が印刷されているプリントを見せてきたのだ。


「げっ」


智恵理が女らしくない声を上げるのが聞こえてきた。


あたしもそれと同じ気分だった。


数学のテストでいい点数を取ったことなんて1度もない。


高校に入学してからの最高点は43点だ。


ギリギリ平均を取れるか、取れないかのレベル。


最近は授業中は化粧直しの時間に使っているから、先生の話なんて全然聞いていなかった。


「テストなんて聞いてないですよ!」


自信のない他のクラスメートからも反対の声が上がる。


しかし、先生の考えは変わらなかった。


「はい、今から15分間ね」


無常にもテスト用紙が配られて、テスト時間が開始されてしまったのだった。