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たどり着いた場所は誰もいない工事現場だった。


気絶している少女の手足を落ちていたロープでくくりつける。


その間に少女が目を覚ましてしまったけれど、民家は遠くてその声は誰にも聞こえない。


「だ、誰ですかあなた!?」


真っ青になって叫ぶ少女に返事をせず、私はその顔をまじまじと見つめた。


整った顔の中でも一番可愛いのは唇かな。


プックリとしていて潤いもある。


「あなたの唇、とても綺麗ね」


思わずそう口にしていた。


瞬間、少女がビクリと体を震わせる。


私は近くに落ちていた工具を握り締めて戻ってきた。


この唇を私につければ、きっと綺麗になれるはず。


そのためには少しの犠牲はつきものよ。


私は少女に近づいて、その唇を切り取った。


少女は悲鳴を上げ、暴れ、もだえ苦しんだ。


その間は少しかわいそうだと思ったけれど、唇を切り取った後はもう夢中だった。


私はそれを自分の唇と付け替えたのだ。


自分の唇を切り取る作業は簡単だった。


暴れないし、絶叫もしない。


ただ痛みを我慢すればそれでよかった。