テスター

チョ-クを持ち、黒板に向かう。


気持ちを落ち着けて板書しようとしたときだった。


「処女」


どこからか声が聞こてきて振り向いた。


しかし、生徒たちはみんな黒板を見ていたり、ノートをとっていたりする。


気のせい?


そう思って再び黒板を向き直る。


すると今度は背中に何かが当たった。


足元に落ちたそれを拾うと消しゴムのカスを丸めたものだった。


「これ、誰が投げたの?」


質問しても誰も答えない。


みんな無表情に黒板を見つめているだけ。


その目が私を笑っているように見えて、また背筋が寒くなった。


私は消しゴムのカスを強く握り締めて、ゴミ箱へ投げ捨てた。


その時、クスクスッと笑い声が聞こえてきた。


すぐに生徒たちを見る。


みんな真面目な顔をして黒板をうつしている。


得体の知れない気持ち悪さがこみ上げてくる。


私はもうなにをされても無視をすると決めて、教卓に立ったのだった。