テスター

その日からだった。


「谷津さん、メークやめたの?」


化粧を落として職員室へ戻ると、そう声をかけられた。


「は、はい」


「なんだぁ面白かったのにねぇ」


面白かった?


その言葉がひっかかったけれど、なにも言えなかった。


「でもま、谷津さんはそのままがいいよ。パッとしないけどね」


「そう、ですか」


今のもきっとほめ言葉じゃないよね?


だけど私はなにも言うことなく、自分のデスクへと向かったのだった。