式も終わり、私たちは教室でクラスメイトと最後のお別れをしていた。

私と那美は東京の大学へ進学する。

別々の大学だけど、時々は会おうねって約束して。

教室から廊下に出ると、下級生たちが両サイドに立ち、腕をアーチにしていてくれて、卒業生はそのアーチの下をくぐって玄関へと向かう。

祝福のアーチ。

私はそれだけで泣けた。

そのアーチの中には恭介に告白した子もいて。

ちゃんとアーチを作ってくれていた。

そして、2年生のアーチへ。

この先に恭介もいるのかな。どこにいるんだろう。

アーチの中を進んでいると、急に私の頭のところでアーチが崩れた。

恭介がアーチをやめて私を抱きしめる。

その周りにいた人たちに冷やかされて。

それでも恭介は私に回した腕を解こうとはしない。

「ちょっ、恭介!」

恭介の腕をパシパシ叩いても、離れてくれない。